【おすすめサイファー動画】「RAW cypher」 Dizzy Wright,Mod son等

【おすすめサイファー動画】「RAW cypher」 Dizzy Wright,Mod son等

サイファーという単語は日本でもすっかりお馴染になった。今回はマイクリレー大好きな筆者が、お気に入りのサイファーはと聞かれてまず思い浮かべる1本の素晴らしいサイファー動画を紹介したい。

ロールペーパーの「RAW」が主催するその名も「RAW cypher」シリーズの中の1本だ。

サイファーというと、その場のノリ重視で、作品としての完成度はイマイチというものも多い。
しかし、これは違う。気持ちいいギターのループが癖になるビートはもとより、そこに乗るMC達のスキルも非常に高く、総合的にポイントの高いサイファーとなっている。筆者がこれまでに観たサイファー動画の中でも五本の指に入るのではないかと思う。

参加しているMCは4人、マイクを握る順に「Like」→「sir Michael Rocks」→「Mod son」→「Dizzy Wright」となっていて、誰もがそれぞれオリジナルのフロウ、デリバリーで聴かせてくれる。個人的には何回観ても(聴いても)飽きない、おそろしく中毒性のあるサイファーだ。

先陣を切るのはLikeというMC。
コメント欄では「ステージネームが“ライク”ってどんな名前やねん」などと突っ込まれたりもしているMCネームを持ったアーティストだ。
確かに、今の時代検索された時に埋もれてしまう名前はマイナスではないかとも思われ、もっと戦略的に名前を付けた方がいいよと一言アドバイスしてあげたい衝動にかられる。大きなお世話だが。
しかし実はこの人、Kendrick Lamarの「Sing about me」やAnderson Paakの「Room in here」といった楽曲をプロデュースした人物であり、かなり有能な人なのだ。ラッパーとしてよりもむしろプロデューサーとしての実績の方が大きい人だが、ラップの方も十分聴かせるスキルとスタイルを持っている。

二番手はSir Michael Rocks(マイケル・ロックス)、あのCurren$yによるヒップホップ・コレクティブ「Jet Life」の前メンバーの一人だ。半纏のような衣装もその端正な顔立ちでクールに着こなし、涼しげな顔でビートを乗りこなす。

三番目にマイクを握るのは、Mod Son(モッド・サン)。私はこの動画で初めてこの人のことを知った。
インタビュー動画などを観てみるとMachinegun Kellyと交流が深いようで彼と共演した楽曲の動画も見つけることができる。それにしても、このサイファーでの彼は本当に素晴らしい。
およそ、一般的な基準での「ラッパーらしい」装いとはかけはなれた出で立ちで登場する彼は、まさに水を得た魚のようにビートを乗りこなし縦横無尽に、実に楽しそうにライムする。
スキルもリリックもレベルが高いがそれだけではない。リズム感がとにかくいい。しかし、この人に魅かれた理由はそれだけではない。
己のスタイルを貫くその姿勢がカッコいい。外見はヒップホップ然としていないが、一番ヒップホップだと思う。
まだまだ、白人のラッパーであったり、ヒップホップらしくない外見を揶揄したりされがちだが、今回のこの日とに関してはそれがなく、コメント欄でもこの人を絶賛する声が多いのも、ヒップホップ愛が、同じくヒップホップを愛するヘッズの心の琴線に触れるのだろう。

そしてトリをつとめるのが「Dizzy Wright(ディズィー・ライト)」だ。Stonerラッパー的なくくりをされる彼だが、さすがにあのHopsin(ホプシン)率いるレーベル「Funk Volume」に所属していたMCだけあって相当スキルフルだ。終始耳に心地よくかつ聴きごたえのあるヴァースを披露している。

 

スキルフルなMCたちが肩の力を抜いて繰り広げるこの心地よいサイファー、
あなたは誰のヴァースが気に入っただろうか?

 

 

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